労働派遣法遵守への取り組み

派遣元の講ずべき措置

1. 派遣労働者等の福祉の増進

派遣元事業主は、派遣労働者の希望及び能力に応じた就業の機会、教育訓練の機会の確保、労働条件の向上その他雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、福祉の増進に努めなければなりません。

2. 適正な派遣就業の確保

派遣元事業主は、派遣労働者の派遣先における就業に当たり、派遣先が労働者派遣法又は同法第3章第4節の規定により適用される労働基準法等に違反することのないようその他適正な就業が確保されるように適切な配慮をしなければなりません。

3. 派遣労働者であることの明示等

派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、労働者にその旨(紹介予定派遣として雇い入れる場合にあっては、その旨を含む。)を明示しなければなりません。

4. 派遣労働者に係る雇用制限の禁止

派遣元事業主は、派遣労働者が派遣元事業主との労働契約関係の終了後(雇用関係が終了した場合のことを指す)、派遣先であった者に雇用されることを制限してはなりません。

5. 就業条件等の明示

派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、派遣労働者に対し、労働者派遣をする旨、その派遣労働者に係る就業条件、派遣先が派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日を明示しなければなりません。

  • (1)明示すべき就業条件
    • 派遣労働者の従事する業務内容(政令26業種は各号番号を記載すること)
    • 派遣労働者の就業場所、所在地その他派遣就業場所
    • 派遣労働者を直接指揮命令する者(指揮命令者)
    • 労働者派遣の期間、派遣就業する日
    • 派遣就業の開始・終了時刻、休憩時間
    • 安全及び衛生に関する事項
    • 苦情の処理に関する事項(苦情の処理方法、処理体制)
    • 労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
    • 紹介予定派遣に関する事項(※紹介予定派遣である場合のみ)
    • 派遣先が派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日
    • 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項
    • 派遣就業する日以外について就業させることができる日、派遣就業時間、休憩時間の時間以外について就業させることができる時間数
    • 派遣労働者が利用できる福祉の増進のための便宜の供与に関する事項(ロッカー、食堂、診療所、制服の貸与など)
  • (2)明示の方法
    • 個々の労働者派遣に際し、あらかじめ、明示すべき事項を書面、ファクシミリ*1又は電子メール*1にて交付する。
    • 緊急の派遣の場合は、それ以外の方法でも可能であるが、派遣期間が1週間を超えるときは、派遣開始後遅滞なく明示しなければならない。
      *1派遣労働者が希望した場合に限る。

6. 派遣先への通知

  • (1) 通知すべき事項
    • 派遣労働者の氏名・性別(45歳以上の場合はその旨、18歳未満の場合はその年齢)
    • 派遣労働者の社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無。「無」の場合は具体的理由。
    • 就業条件の内容が労働者派遣契約の内容と異なる場合の就業条件)
  • (2)通知の方法
    労働者派遣に際し、あらかじめ、通知すべき事項を書面、ファクシミリ又は電子メールにて交付する。緊急の派遣の場合は、それ以外の方法でも可能であるが、派遣期間が2週間を超えるときは、派遣開始後遅滞なく通知しなければならない。

7. 派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知

派遣元事業主は、派遣先が派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日の1か月前から前日までの間に、派遣受入期間の制限に抵触する日以降継続して労働者派遣を行わない旨を、派遣先及び派遣労働者に通知しなければなりません。

8. 派遣元責任者の選任

派遣元事業主は、事業所ごとに派遣元責任者を選任し(労働者数1~100人ごとに1人以上)、次の業務を行なうこと。

  • 派遣労働者であることの明示等
  • 就業条件等の明示
  • 派遣先への通知
  • 派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知
  • 派遣元管理台帳の作成、記載及び保存 (3年保存)
  • 派遣労働者に対する必要な助言及び指導の実施
  • 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
  • 派遣先との連絡調整
  • 派遣労働者の個人情報の管理に関すること
  • 安全衛生に関すること(派遣元の安全衛生を統括管理する者及び派遣先との連絡調整)

9. 派遣元管理台帳

派遣元事業主は、派遣労働者ごとに就業条件等を記載しなければなりません。

10. 性・年齢による差別的な取扱いの禁止等

労働者派遣契約を締結する際に、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載し、これに基づき労働者派遣を行ってはなりません。また、性別や年齢を理由とする差別的労働者派遣を行ってはなりません。

11. 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針等

上記のほか、法に規定される派遣元事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため、以下の事項等について指針がある。

  • (1) 派遣労働者の雇用の安定を図るための配慮
    • 契約期間が満了する前に、派遣先の責に帰すべき事由による派遣契約の解除に伴い生ずる(休業手当、解雇予告手当等)損害の賠償を行うことを定めるよう求めること。
    • 新たな就業機会の確保を図る(できない場合は、まず休業等を行い雇用維持を図ること)
  • (2) 労働・社会保険の適用の促進
  • (3) 個人情報の保護
  • (4) 派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止等
  • (5) 紹介予定派遣 6か月を超えて同一の派遣労働者の労働者派遣を行ってはなりません。
  • (6)情報の公開

派遣元事業主は、派遣労働者及び派遣先が良質な派遣元事業主を適切に選択できるよう、労働者派遣の実績、派遣料金の額、派遣労働者の賃金の額、教育訓練その他事業運営の状況に関する情報を、事業報告に記載した内容に基づき公開しなければなりません。

派遣先の講ずべき措置

1. 適正な派遣就業の確保

派遣先は、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理を適切かつ迅速に行うとともに、派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。

2. 派遣労働者への雇用契約の申込み義務

派遣受入期間の制限がない業務の場合

  • (1)同一の業務に同じ派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その業務に新たに労働者を雇い入れようとするときは、雇用契約の申込をしなければなりません。
  • (2)派遣受入期間の制限がある業務の場合

抵触日以降も、派遣先が派遣労働者を使用しようとする場合で、抵触日の前日までに、派遣先に直接雇用を希望する派遣労働者(派遣先が有無を確認)に対し、雇用契約の申込みをしなければなりません。

3. 派遣労働者の雇用の努力義務

派遣受入期間の制限のある業務については、上記(2)のほか、1年以上同一の業務に同じ派遣労働者を受け入れており、派遣の受入れが終了した日以後、同一の業務に新たに労働者を雇入れようとする場合は、以下の条件を満たす場合のみ雇用する努力義務があります。

  • 派遣先に雇用されて同一の業務に従事することの希望を申し出ている派遣労働者で
  • 派遣の受入れが終了した日以後7日以内に派遣元事業主との雇用関係が終了する派遣労働者

4. 派遣先責任者の選任

派遣先事業主は、派遣先責任者を選任し(労働者数1~100人ごとに1人以上)、次の業務を行なうこと。

  • 労働者派遣法及び労働基準法等の適用に関する特例等により適用される法律の規定、派遣労働者に係る労働者派遣契約の定め並びに派遣元事業主から受けた通知の内容についての関係者への周知
  • 派遣受入期間の変更通知に関すること
  • 派遣先管理台帳の作成、記載、保存及び記載事項の通知に関すること
  • 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
  • 安全衛生に関すること(派遣先の安全衛生を統括管理する者及び派遣元との連絡調整)
  • その他、派遣元事業主との連絡調整